Elevator 2
管理人さんもちゃんといるオートロックのマンションに私は
住んでいる
といっても
社会人のくせに
仕送りをしてもらっているから
やっぱり
上京したときは
東京の暮らしを体験してみたい!
って一心で出てきたからかなぁ
母ちゃんも
父ちゃんも
仕送り厳しいだろうなぁ
普通のアパートに住もうかな
そんなことを考えながら
管理人室の前を通ると
「お帰りなさい、毎晩お疲れ様です」
と言われて
「管理人さんこそ遅くまでご苦労様です」
と
形式的な挨拶を交わして
エレベーターに乗り込んだ
扉が閉まる瞬間に
管理人室の前にある
広報のコルク板に
一際目立つ色で
張り紙がされていたけれども
それに気づいたのが
閉まる瞬間だったので
特に気にも留めず
私は自分の
住んでいる
階のボタンを押した
うちのエレベーターは
背中に鏡があって
前は透明なガラス
なので
夜中はどっちを向いていても
ちょっと怖い
でも廊下には
ちゃんと電気がついているから
ドキッ
今3階に女の子が!!
なんでこんな時間に
一人で
エレベーターを
待っているの?
下がっていく視線を
なんとか前のめりになって
少女を探すと
誰もいない
なんだ
ただの気のせいか
チン
私の住む
8階に着いた
ガタン
扉は開き
また静寂な夜が
私を迎える
私の部屋は
角部屋
エレベーターからもっとも
遠い位置だ
疲れたのに
まだ歩くのかよ~
と思いながら
前を向いた瞬間
隣の住人に
呼び止められた
「ちょっと!!」
住人とても急いでいるらしい
顔は蒼白で呼吸はあらい
私は不意に声をかけられたので
声が裏返って
「はい!?」
と情けない返事をした
「あんた下の広報の紙みた!?」
「いえ、見てませんけど、どうせまた
ゴミ分別徹底の自治体の紙じゃないんですか?」
私は
疲れているので
早めに会話を切り上げたくて
歩き始めようとした
すると
住人に腕をつかまれた
「最近有名なベッドタウンを狙った無差別殺人の犯人が
どうやらこの近辺にいるらしいのよ」
「・・え?」

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